2002年 "PRINCE A CELEBRATION "
"XENOPHOBIA"

今年のセレブレーションは例年と違い、プリンスが7日間毎晩ステージに立つと発表された。しかも大きな会場に移動する事も無く全て観れるので、車の運転をするファンにとっては有難い話だった。
2002年セレブレーション1日目(6月21日)

午後3時頃小雨の降り続く中ペイズリーパークに到着、周辺の道路工事の規模が昨年より大きくなっていて、ペイズリーの近くに路駐する事が出来ない。午前中までかなりの豪雨だったらしく所々大きな水溜りになっている。少し離れた所に車を停め、受け付けでパスを受け取るが年々ペイズリーに来たっていう新鮮さが無くなっていくようだ。

ボディチェックを受け中に入る。NPGMCルームを覗くとそこではお馴染みの99年の年越しライブが流されていて、別の部屋では「プリンスミュージアム」としてプリンスが使ってるギターを始めベース、ピアノが展示してある。ギターではいつも使っているテレキャスター(Mad Cat)が飾られているが、ライブでは新しく作ったのかやたらピカピカのテレキャスターを使っているようだ。ベースも最近あまり演奏する機会が無いのかマイテの目がペイントされてるOne eyeベースもここに飾られていた。ミュージアムの奥のダンスルームでは映画"グラフィティブリッジ"で使われたバイクが置かれていて5ドルでポラロイドカメラを使った記念撮影をしてくれるとの事で一枚撮ってもらったが、正直なところ微妙なサービスだ。隣のスタジオBではミキシングボードを前にして専属エンジニアがプリンスとのレコーディングについて説明している。結局到着した時間が遅かったのですぐに4時になり昼の部は終了となった。スーパーで買い物をして一度ホテルに帰り、6時頃改めて夜の部に行く。

ペイズリーに到着すると既に何人も並んでいた。有りがたい事に降り続いていた雨も上がり、とても気持ちのイイ青空が広がっている。8時ごろようやくサウンドステージに通されると昨年とは違い壁一面に黒の幕が張られ、裏側から発光ダイオードが付けられ、ステージ側から見ると星を散りばめたような、とても幻想的な感じになっていた。会場の後ろには壁際に沿って2段ほどのひな壇が組まれ、中央には柵で覆われたサウンドボードが設置されている。サウンドボードの横では今年
は"Xenophobia"のロゴが入った水が2ドルで売られていた。まず9時からメイシオバンドのショーが始まり白熱のライブが2時間に渡って繰り広げられる。ホントに汗だくになって必死に演奏するメイシオにプロ根性を見た思いがするが、それにしてもこの2時間でこちらの体力もかなり消耗してしまった。あと息子のヴォーカルは要らないように感じた。
長いメイシオのステージが11時頃終わり、ようやくセットがNPGの物に変えられていく。セットはいたってシンプル、ステージ向かって左に新メンバーのレナートのキーボードがあり正面にはレクサス(車)のフロントグリルが付いてる。ステージ中央奥には透明のアクリル板で覆われたジョンのドラムセットが、右側にはプリンスが使うキーボードセット、これも前面にベンツのフロントグリル付けられている。ステージ後方両サイドには"Rainbow Children"の大きなバックドロップ。
ショーはジョンのドラムソロからスタート、しばらしてようやくプリンスが登場!今夜の服はツアーパンフで見ていたとおりのグレーのスーツに黒のシャツ、一曲目の"Rainbow Children"が始まった。しかしあのアルバムを再現するにはヴォーカルが薄っぺら過ぎるようだ、前の方で観てたのが問題なのか、PAからの音がまともに聞こえない。確かにプリンスの顔はハッキリ見えるが少し不満。それにしても恐ろしく顔が白い、メイクのせいか?。演奏内容は前もってブートで聴いてた通りのものだったので予習し過ぎた事を後悔した。

ショーの中盤プリンスが客を選んでステージに上げる恒例の時間がやってきたのだが、事もあろうにツナさんがプリンスに手を差し伸べて貰いステージに引っ張り上げられた!。さらに名前を聞かれ、答えると「トゥナ?」とプリンスに聞き返され大笑いされる、その後居心地悪そうにステージの端で座っていたツナさんをプリンスが踊るように促してた、とても羨ましい。合計3回も握手してもらいステージから降りてきた。今夜は途中衣装チェンジもしていて臙脂色の上下に肩から袖にかけて白になっている不思議な服、いつもながら凄いセンスだ。

ショーの目玉はアンコールで演奏した"Joy In Repetition"最初の”ジョーイ"って所を何回もマイクを通さず歌っているが、プリンスの生声が聞こえる!近い場所で見れてよかった。2時半頃に初日のショーは終了。理由は良く分からないが、なぜかピアノメドレーが全てカットされていた。今回一週間もある事を考えると仕方無いところか。
その後ホテルの部屋に帰ってくつろいでいると、ツナさんがやって来た、なぜか他の日本人も次々と!その後、朝方までツナさんの自慢話が尽きる事はありませんでした。
Prince & The NPG
1.The Rainbow Children
2.Muse 2 The Pharaoh
3.Xenophobia
4.A Cace Of You ( Joni Mitchell
5. Mellow
6.1+1+1=3
7,The Ride
8.Alphabet St.
9.Love Rollercoaster (Ohio Players)
10.The Other Side Of The Pillow
11.Strange Relationship
12.Sing A Simple Song
( Sly & The Family Stone )
13.La La La(Means I Love You)
14.Didn't Cha Know ( Erykah Badu )
15.When You Were Mine
16.Avalanche
17.Family Name
18.Take Me With U
19.Raspberry Beret
20.The Everlasting Now
21.Joy In Repetition


セレブレーション2日目(6月22日)
夜の部、今晩のゲストはシーラE、いつも日本のブルーノートで演ってるような地味な選曲と違い、いきなり「オリヴァーズハウス」!なんという選曲!その後も「シスターフェイト」、「ホーリーロック」、「17デイズ」というプリンス寄りの曲が次々と。客はかなり盛り上がってる、みんなが求めているのはプリンスの曲と知ってのサービスだろう。乗りの悪い自分としてはやはり少しでもイイからプリンスに参加して欲しかった、やはりプリンスが絡まなければ!。最後には感極まってかシーラが泣いている、会場がペイズリーパークだったので感慨深いものがあったのだろうか?。

シーラの演奏中、サウンドステージ内の温度が異常に上がっていたのだが、終わった時点で空調の故障だった事が分かった。タクミさんがステージの室温を下げる為に客に20分ほど一度外に出て欲しいと叫んでる。せっかく観易い場所を確保するために並んだのにと思いつつ泣く泣く外に退場。12時20分頃再び開場すると小走りで場内へ、既にセッティングが終わってるステージには、ギターアンプが無く中央にプリンスのキーボードが。ステージ両サイドには御香が炊かれ,すでにNPGのメンバーは"Raibow Children"のインストメンタルジャズを演奏している、プリンスはドラムキットに向いて座っており背中しか見えない。今夜
はパジャマパーティーと言う事でみんなパジャマを着ている、一応メイシオは黒のシルクのような上下、ロンダは白の上下、ジョンはツアーパンフで着ていた中国服だと思う、レナートは・・忘れた。そしてプリンス、以前テレビ番組で演奏していた時に着ていたような白の衣装に、黒の衣を羽織った寺の和尚のような服装、足元は素足に底が3センチ程のサンダル。結局一週間の中で一番カッコ良かった。しばらくしてインストの演奏が終わるとプリンスがキーボードに向き合う、始まった曲は"Power Fantastic"。5月のNY公演で初めて演奏された恐ろしく美しい曲、アレンジはスタジオヴァージョンに比較的忠実だったが素晴らしいの一言、まさかこんな曲をしかも一曲目に演るとは。次の曲は"Extraordinary"、この曲は最近のアフターショーで演奏してる事を知っていたがやはり生は違う、基本的にライブではファルセットで歌うプリンスの曲が特に良い、自分のパートが終わるとプリンスはステージを歩き廻りとてもおかしなアクションをしていた、一瞬プリンスが壊れたのかなと思ったが、イメージが崩れる程三枚目を演じるプリンスもとても好感が持てる。
一週間を通じて気になったのが今回のステージにはモニターが無く、そのかわり全てのメンバーがワイヤレスのイヤホンを耳に付けている、だがプリンスはそのイヤホンが耳にしっくりこないらしく、何度も付け直していた。しかも今夜の服にはレシーバーを付ける場所がなく、ある時は引きずりながら歩いていた、プリンスは慌てる事なく対処する、カッコイイ。そして曲は"Strollin'"!これも凄い、凄すぎる。まずプリンス一人でキーボードオンリーの伴奏。あの曲をあのファルセットで演奏されると頭の中は真っ白に。その後バンドヴァージョンでの演奏でたたみ掛ける。恐ろしいバンドだ。アンコールで"Pop Life"のイントロが流れると、歓声が一段と大きくなる!それもフルヴァージョンでの演奏で通常と違いとてもデラックスなものだ、後半レナートのとても激しいソロが有る。この時、これからレナートについて行こうと決心した程のすばらしい演奏だった。一見地味な感じのミュージシャンが実はここまで激しい演奏をするギャップが素晴らしい。
Prince & The NPG
1.Instrumental Jazz
2.Power Fantastic
3.Extraordinary
4.Here On Earth
5.With You
6.Peals B4 The Swine (instlmental)
7.The Ghetto
8.Sweet Baby
9.When The Lights Go Down
10.Strollin'
11.Gotta Broken Heart Again
12.You've Got A Frinend
13. Pop Life


1時35分頃、全ての演奏が終わるとプリンスが会場のファンを映画館に招待すると言い、さっそく近所のチャンハンッセンシアターに向かう、到着した映画館は建物の中に複数の劇場が入っており、3館ほどの会場が予約されていて、すでに多くの人がジュースと馬鹿デカイポップコーンの袋を膝に置いて開演を待っている。
映画は”マイノリティレポート”と言うトムクルーズの新作らしく、日本語字幕も無いのに大丈夫か?と思いつつ観ていたが意外と楽しめた。ほんとにこれはエアコンの故障の見返りなのか、突然こんな簡単に真夜中の映画館を貸し切る事が出来るのか?事前に映画に招待する事は決まっていたのではないだろうか。場内ではペイズリーでの暑さを詫びるかのように震える程の寒さに空調が設定されている。睡眠不足で寝むたかったが、眠気と戦いつつ最後まで映画を観た。

セレブレーション3日目(6月23日)
朝ペイズリーを少し覗いた後モールオブアメリカへ、初日"Love Rollercoaster"を聴いた事もあってキャンプスヌーピー内にあるコースターに乗りに行く(意味不明)、日曜の昼という事もあって家族連れが多い中、20分程並んでコースターへ、途中何でチビッコに混じってこんな所で並んでるんだろうと考えてしまった。
今夜は9時頃にペイズリーパークに到着。サウンドステージでは既にVictor Wootenの馬鹿テクバンドの演奏が始まっている、選曲が節操無くジミヘンの"Purple Haze"に"Black Sabbathの"Iron man"なんて曲まで演奏してる、まさかペイズリーでブラックサバスの"Iron man"を聴くとは思ってなかったので、大きな驚きだった。
場所の確保もせず一番後ろのサウンドボード横で観ていたのだけど、今年もセキュリティにガードされたプリンスがブラブラ意味もなく(あるか?)歩いていた。去年と違うのはマニと手を繋いで歩いてる事か。プリンスは赤のブラウスに白のパンツ、驚いた事にハイヒールは履いていなくて、フリルの沢山ついた膝下まである白のロングブーツを履いている。とてもセンスが悪い。初めて見る生マニは写真で見てたより凄く細くて顔が小さく、赤のワンピースを着ている。あまり美人だとは思わなかったが廻りの日本人によると美人らしい。プリンスと共にカーキーJも二人の子供を連れて歩いていた、相変わらず腕は太い。そのあと後ろの柵にもたれ掛かっていると背中から人の気配が、振り向くとプリンスが事前にスタッフが設置しておいたビデオカメラを時折覗きながらステージを見てる。その時に感じた事だがプリンスの顔はステージでは格好イイのだけど、ステージを降りたプリンスは顔が濃い、濃すぎる!例えるなら宝ジェンヌがショー以外でもあのメイクで宝塚の駅前を歩いてる感じ(分かりにくい?)。

Victor Wootenのステージが終わりいよいよプリンス登場。今夜はまず登場の仕方が変わっていてメンバーが太鼓を叩きながら会場の通路を通ってステージに登場。そしてプリンスの頭には売店で売られていた白のキャップが被られている。売れてないから宣伝してるのだろうか?一曲目は"Days of Wild"いきなりラリーグラハムとの絡みに気持ちが沈む。2曲目の"The Jam"でもなぜか歌いまくってる、プリンスのステージでは控えめにして欲しい。とは言えプリンスまで極上の笑顔で演奏してるから困ったもんだ。そんなお邪魔なラリーもこちらの気持ちが通じたのか3曲目にはステージを降りてくれた。曲はレアな"Dolphin"。しかし、プリンスは自分でほとんど歌わず、マイクを客に向けて歌わそうとする。次の"Sign"O"The Times"が始まっても同じように歌わす!まさか自分の喉の負担を軽減する為ではと勘繰ってしまう。曲は"Paisley Park"これもファンに歌わそうとしていた、隣の外人の歌声しか聴こえない。最後の"Peach"では大好きなシャウトヴァージョンのヴォーカルではなく、普通に歌ってたのが残念。そのあと曲は"It Ain't Over"のジャムになった。このジャムは面白くなかった。
Prince & The NPG
1.Days of Wild
2.The Jam
3.Dolphin
4.Sign "O"The Times
5.The Work part1
6.Paislely Park
7.Renato's Keyboard Solo
8.Peach/It Ain't Over Jam


セレブレーション4日目(6月24日)
午前中、朝からペイズリーへ今日のワークショップはメイシオパーカー。開場後NPGMCルームの前の方に場所を取る。しかし1時頃から始まった内容はサックスの演奏がメインではなくメイシオ自身が生い立ちを語るというもので、英語の分からない長時間のトークに少しうんざり、それよりもメイシオのキーボードの演奏がイマイチのだったのが心に残った1時間半だった。

夜の部、開場までの時間ブラりとペイズリーの横に建設中の建物(ベジタリアンレストラン)を見に行く。ぱっと見た感じでは去年とあまり変わりは無いようだけど、良く見ると屋根が出来て、窓にはガラスが張られ回りの芝生が復活している。完成するまで何年掛かるんだろう。しばらくして
開場、落ち着いて聴くためかサウンドステージには椅子が並べられている、どうやらレンタルらしい。体にとっては楽なので嬉しいが後で登場するプリンスとの距離が遠くなるのが残念。午後8時、今夜のゲストはノラ・ジョーンズ。初めて聴くノラ・ジョーンズは全ての曲が聴き易いピアノの語り弾きで、今回のゲストの中では、楽曲ともに最高の演奏だった。9時頃にショーは終了し、その後プリンスのセットが組まれていく。しかしいつもと違いステージ中央には椅子とマイクスタンド、その右側にはカーキーJの為のコンガがセッティングされているので今夜はアコースティックの演奏になる事が分かった。

1時間後グレーのスーツを着たプリンスが登場、おもむろに椅子に座ると黄色のスポットライト1つのなかアコースティックギターを弾きだした。1曲目は"Don't Play Me"おォ〜なんて曲を演奏するんだろう。2曲目にはツェッッペリンの”胸いっぱいの愛を”、カバーしてるのは知っていたが、プリンスがツェッペリン!それも全てファルセットで座りながら歌っている、この曲はいつもアコースティックで演奏してるのか?ふとプリンスの足元に目をやると靴のジッパーにはおなじみのシンボルマークがついている、けどズボンの裾のバンドはどうしても確認出来ない(どうでもいいか)。
4曲目には"Tangerine"これもとても良い選曲で文句無し。次の曲は"A Case of You"昔からプリンスはこの曲を何度もカバーしてるけどでアコースティックギターの演奏で聴ける日が来ようとは。出来としては初日のピアノヴァージョンの方が良かったように思う。ジョニミッチェルには悪いがピアノヴァージョンはオリジナルを越えていた。その後も"Motherless Child""The Trush"と続々とレアな曲が続いていく、もう何がなんだか分からない状態。余りにも満たされ過ぎて段々こっちの感覚が鈍くなっていくのに気づく。恐ろしい事だ。そして"Peach"の時にはカークの娘をステージに上げてダンスさせていた、この44歳の王子は客をステージでダンスさせるのがホントに好きだ。最後の曲は"Last December"。これも凄く評判のイイ曲なのになぜか余りライブでは演奏してない、天才の気まぐれにはついていけない。この日はカバーなのか何曲か知らない曲があった。1時間程の演奏が終わると一旦プリンスは袖に引っ込む。しばらくしてレナートが一人でジャジーなインストを弾き始める、中央にはプリンス用のキーボードがセットされた。数分経った頃ようやく残りのメンバーが登場、2ndセットはバンドメンバーを引き連れてのライブだ。内容はよく覚えてない。
Prince & The NPG
1st Set

(全てアコースティックギターヴァージョン)
1.Don't Play Me
2.Whole Lotta Love
3.7
4.Tangerine
5.A Case Of You
6.Pink Cashmere
7.One Kiss At A Time
8.Alphabet St.
/Beerly Hillbillies Theme
9.Girls And Boys
10.Motherless Child
11.The Truth
12."Guitar Playin' Man" Jam
13.The Other Side Of The Pillow
14.She Loves Me 4 Me
15.Peach/It Ain't Over
16.Forever In My life
17.Last December

2nd Set
(バンドヴァージョン)

18.Instrumental
19.How Come U Don't Call Me Anymore?
20.Diamonds And Pearls
21.The Beautiful Ones
22. Free
23. Starfish and Coffee
24. Sometimes It Snow In April
25.I Love U But I Don't Trust U Anymore
26.Prince and The Band (NEW SONG)
27.Xenophobia


セレブレーション5日目(6月25日)
夜の部、今夜のゲストはジミヘンに雰囲気が似たようなミュージシャン。特に印象に残る演奏は無かったが、この人も"Purple Haze"を演奏していた。
今夜のプリンスバンドのショーは10時半頃にスタート、まずプリンスがテレキャスターを抱え歪んだ音でギターソロを弾きだす、しばらくすると"Bambi"が始まった。これも最近アフターショーのセットリストに組まれていたので驚きは無い。しかしこの一週間アフターショーで
演奏してる曲を含んでいるとはいえ、普段演奏する事が無い曲をこれだけ沢山用意してるのには驚かされる。セレブ前に異常な程の量のリハーサルを繰り返しているに違いない。それにタクミさんを始めとするスタッフについても、毎日睡眠を取る時間は有るのかと余計な心配までしてしまう、みんなプリンスを恨んでるに違いない。2曲目に登場したのはツェッペリンの"Whole Lotta Love"。この曲は昨日とは違ってバンドヴァージョンで圧倒的にこちらのほうが良い、音も分厚く迫力十分、結局毎回ファルセットで歌うみたいだ。自分のリクエストで言わせてもらうとカバーならストーンズの"Honky Tonk Woman"が聴かせて欲しかった。続く曲は"The Question of U"今回聴くまではたいして好きな曲ではなかったけど、今回の演奏は恐ろしく感情移入した感じのロングヴァージョンだった、結構プリンスの曲はアルバムを聴いた時と生で聴いた時と曲のイメージに差が出る事が多い。それにしても今回の、イベントスケジュールは連日の睡眠不足と疲労の蓄積とで時折激しい睡魔に襲われる、これほどプリンスを観る事を楽しみにして来たというのに!そんな事で記憶が断片的になってしまっている。

セレブレーション6日目(6月26日)
午後1時からのラリーグラハムのワークショップにプリンスが登場するのではないかという噂が広がっていた、午前中にペイズリーに到着。入場後MPGMCルームのステージに近い場所を確保する。待っている最中壁に映し出されていた映像は”サイン・・”のツアー前にファーストアヴェニューで撮影されたウォームアップギグ、使われている映像はブートのようでペイズリーにはもうマスターテープが無いのではないだろうか。午後1時頃ワークショップが始まった、現れたのはラリーとラリーの嫁、それにジョン・ブラックウェルがドラムで登場。一瞬喜んだけどラリーがスライやグラハムセントラルステーションの曲を演奏する為のドラム担当という形なので演奏はいたって地味。それにしても毎度の事ながらどうしてラリーは嫁を連れて来るんだろう?。機嫌の良いラリーはステージを降りて客の中を歩きながらベースを演奏している、しかもその時ステージに腰掛けてた嫁にもなぜがスポットライトが当たってる。その後、質疑応答とパフォーマンスを1時間以上かけて終了し、エホバの二人は満足げにステージを後にした、結局プリンスは現れずストレスを感じただけのひと時だったような気がする、後で聞いた話ではプリンスも部屋の隅から見ていたらしい。

そして3時頃、ペイズリーの外では今晩も良い場所でショーを見ようと早くも人が集まってる。なんでも今日は整理券が配られるらしく、大きなテント前では元ゲームボーイズのデーモン・ディクソンがダンスのステップをみんなに教え始めてる、そのあとのダンスタイムでスタッフに認められた人から順に整理券を配っていくのだという。高温多湿の炎天下の中そんなバカなダンス誰がするのかと思い、振り向くと他の日本人達は意気揚揚と踊っている、、それを見て仕方なく踊ることにしたが何十分経っても整理券は貰えず段々むなしくなりテントに休憩に行く。そこには直射日光を避けるべく、しゃがみこんだまま雨傘を差し、頭をうなだれたGさんがいた。大丈夫ですか?と聞くと大丈夫との返事だったが立った瞬間フラフラとよろけて倒れそうになった、最初、脳貧血かと思ったけど、後で聞くとただ足がシビレただけとの事。しかしその後が大変だった、日射病か何かと勘違いしたスタッフが集まって来てGさんの周りはたちまち黒山の人だかり。心配した太った女のスタッフはアイスキャンディーを持ってきてGさんに渡している、それでも心配なのかどこか別の所で休ませようとこの女性スタッフは、アイス片手に半笑いのGさんを強引におんぶしてどこかへ消えて行った、その後ろ姿が印象深く今も目に焼き付いて離れない。

夜の部、今夜のゲストはMusiq Soulchild。他の人に質問するとプロモーションによる成功が大きいとの事。付け加えるとこの人はジミヘンのTシャツを着てた、アメリカではジミヘン流行ってるのかな?
その夜のプリンスバンドは初日と同じく、レギュラーのセットリスト。初日との違いはメイシオの変わりにサックスでエリック・リーズとナジーが参加してる事か。それにトロンボーンのグレッグがいるので"Xenophobia"なんかではホーンセクションの音がやたら分厚い、その上1人1人順番にソロパートまで割り当てられている。

セレブレーション7日目(6月27日)
7日目とにかくゲストのRachel Ferrelが凄く良かった!ここまで広い音域を苦もなく操れるヴォーカルを初めて生で聴いた、やっぱりこういうのがプロってもんなのかと感心させられた。ただ残念なのは2時間以上のショーだった為聴いているほうの集中力が持続出来ない事だったと思う。最初はみんな驚きの目で見ていたけど最後の方は多少ダレたようだ。
その後NPGのステージがセットされていく、今晩のプリンスのキーボードは中央に置かれ、ピアノ中心の演奏のようだ。御香の香りの中12時頃ようやくショーがスタート。まずナジーが登場してプリンスのキーボードの椅子に座りフルートのソロを演りだした・・・あとは記憶に無し。

注:記憶違い多数有り


【Xenophobiaフライヤー】【Xenophobiaボドル】









【シングルDays Of Wildセレブレーション盤】【ロングTシャツ】



2002年7月