2000 Hit N Tour Las Vegas

6月のセレブレーションに参加した事で益々プリンス依存が強くなり、12月のラスベガス公演にも行く事になった。今回はJTBのパックツアーを利用して東京からの方と現地集合という形で関空から出発したのだが、ベガスへの直行便が無いため一度ロスで乗り換えてようやくベガスに到着。空港内にはライブ告知が掲示されており嫌でも期待が高まる。

2000年12月9日 アラジンシアター
ライブ当日、今回の会場は「アラジンホテル&カジノ」の中にある「アラジンシアター」、このホテルは今年新装オープンしたばかりで劇場の「アラジンシアター」はラスベガスでは一番大きいらしい。建物の外壁やカジノの中にもライブの告知ポスターが貼られており、客室のテレビでは館内向けのサービス案内でプリンスの「When Eye Lay My Hands On U」のプロモーションビデオが繰り返し流されている。
会場に入場後、緊張の中ようやくライブは「Uptown」からスタートしたのだが、会場が大きい上に席が後方のためプリンスの表情は良く見えない。ステージセットは中央に置かれたドラムライザーを中心にして向かい合うような形でモーリス・ヘイズとキップ・ブラックシャイヤーのキーボードが置かれたシンプルなものだ。今回新しいメンバーとしてドラムにジョン・ブラックウエル、サックスとフルート担当にナジー、それとダンサーとしてジェニーバが参加している。調べた所では今回のツアーのセットリストは全て固定されていて、アンコール部分だけを変更してるようだ。曲は「Mutiny」、この曲はザ・ファミリーに提供したものでプリンスはあまり演奏していなかったと思う、キーボード奏者が2人もいるので、曲の中でモーリス・ヘイズとキップがのソロを分け合って演奏している。
「リトルレッドコルベット」ではステージ中央に置かれたソファを小道具としたジェニーバとプリンスの"絡み"のコーナー。このツアーではジェニーバがほとんどステージに出ずっぱりで、どうしてもマイテのダンスとの違いを比較してしまう。

嫌でも盛り上がる「Housequake」に続いて「Dorothy Parker」では間奏のキーボードのソロをキップのキーボードでプリンスも弾いている、ナジーは最初のソロパートでフルートを吹き、次のパートではサックスでソロを行い大忙しだ。最後にロンダのベースソロで終了。「I Could Never Take The Place Of Your Man」の最後ではナジーの長いサックスソロのコーナーが有り、次の曲「Do Me Baby」に繋がる。イントロでは長めのキップのキーボードとコーラスが効果的に使われていて、雰囲気の違う曲になっていて良い感じだ。最近ステージアクションが少ないと思われていたプリンスも「Darling Nikki」ではジェニーバと激しいダンスを行い、スプリットも披露していた。
アンコール後「Kiss」では沢山の客をステージに上げてのダラダラした演奏となり、そうこうしているうちにライブは終了してしまった。6月のライブで観た曲も多く正直ミネソタ程の感動はなかったのだが、今回は千秋楽という事で頭の中はアフターショーの期待で一杯だった。
客電が点き、ドキドキしていると予想通りこの後MGMホテルのスタジオ54でアフターパーティーを行うとアナウンスされた。
"Aladdin Resort & Casino"Las Vegas
1.Uptown
2.Controversy
3.Mutiny
4.Cream
5.Little Red Corvette
6.I Wanna Be Your Lover
/Sexy Dancer
7.Housequake
8.The Ballad Of Dorothy Parker
9.I Could Never Take the Place...
10.Do Me,Baby
11.Scandalous
12.Diamonds And Pearls
13.The Beautiful Ones
14.Nothing Compares 2 U
15.Let's Go Crazy
16.Take Me with U
17.Raspberry Beret
18.Darling Nikki
19.When Doves Cry
20.Computer Blue (inst)
21.The One/I Would Die 4 U
22.Baby I'm A Star
23.God Instrumental
24.Purple Rain
24.Come On
25.Kiss
26.Gett Off
27.Pop Life


アフターショー(Studio 54)
一度ホテルの部屋に戻りMGMに歩いて向う。MGMに到着すると入場口からかなりの人数が並んでいる。並んでみたものの一向に前に進む気配は無く、こんな所で待っている間にもプリンスは帰ってしまうのではと心配していると中から音が漏れてくる。最初は聞き間違いと思ったが、やはりスネアやべースの音が確かに聞こえているのでサウンドチェックをしているようだ。アラジンでのアナウンスではアフターパーティーと言っていたが、もしこれがショーなら何がなんでも観たい。

イライラとした気持ちで2時間以上並び、午前2時を回った頃、ようやく20ドルを払い入る事が出来た、しかし中は満員状態。不安な気持ちで店内を進んで行くと、クラブの中央あたりが吹きぬけになっていてそこから下の階を見下ろせるようになっている。覗き込むとそこにはステージが有り、後方にはドラムキットがセットされ、床にはNPGのロゴが入った白いタンバリンが置かれていた!。ステージ周辺は人で一杯の状態だったが、少しでも良い場所で見たいと考え、下の階には降りず斜め上から見下ろす位置を確保。かなり強引に割り込んだがこの際細かい事は言ってられない。すると次の瞬間にはブルーエンジェルを手にしたプリンスがブラ〜とステージに登場!4メートル程下でプリンスが動いてる!。もう頭の中は真っ白、心臓もドキドキのまま2時20分頃にライブは始まった。本編のコンサートでは遠くて良く分からなかったが、髪型は今年のセレブレーションの時より伸びていてパーマが掛かっている、88年頃の雰囲気に近いようだ。衣装は赤地に黄色の刺繍の入った服に黒のパンツ姿。おもむろにギターを弾き始めるとNPGのメンバーもぞくぞくと登場!なぜかベースは帽子、服、ベースと白尽くめのラリーグラハム。アフターのためにわざわざベガスまで来なくていいと思うが。ドラムはカーキーJ、ノースリーブの黒のTシャツにNPGのネックレス。そしてナジー、さっきのコンサートの時の服もダサかったけど今回の服はさらに地味になっていて、とてもロックとは言えない衣装。ヘイズとキップは記憶に無い。

最初の曲は「Thank You」。プリンスとラリーのツインボーカルで始まったのだが、ラリーには極力歌って欲しく無い、しかし2人ともとても楽しそうだ、演奏の途中プリンスはドラムセットの横に置かれたスライスしたセロリを時々食べている。演奏している後ろでは胸元がヘソの辺りまで全開の私服を着たジェニーヴァがプリンスの演奏を眺めている。途中プリンスが近寄って何か耳元で囁いている。多分踊ってくれと言ったのだと思う。

曲が次の「Everyday People」に変わるとジェ二ーヴァがステージに出てきて踊り出した。プリンスは機嫌がいいのか終始笑顔だ。ドラムのカークに目をやると恐ろしく腕が太く見える、あの腕で殴られたら即死だなとくだらない事を考える。

曲が終わる度にラリーの嫁がなぜか踊りながら旦那の汗を拭きに出て来る。プリンスはギターでお馴染みのリズムを刻み始める「The Ride」だ。ジェニーヴァは又後ろに下がって観てる。特にこの曲はナジーのサックスソロが印象的だった。後半長めのソロで本領を発揮。しかしこのショウは曲によってナジーの出番の無い曲がいくつかあって、そういう時は2歩程下がり、キップのキーボード前でみんなの演奏をニコニコしながら眺めている。この人はとても人が良さそうな顔をしている。

曲が終わるとここでカークがジョン・ブラックウエルと交代、ラリーも奥に引っ込んでくれた。プリンスはギターをテレキャスターに持ち変え「She's Always In My Hair」が始まった。しかし今までのアレンジとは違い、凄くいい感じのスローヴァージョンだ。

曲が終わるとスタッフがステージにシンバル一個とカウベルの付いたパーカッションをセットした。シーラE登場!客は大喜びでシーラに声援を送っている、一瞬誰か分からなかったが、久しぶりに見るシーラはサーモンピンクのスーツを着ており、凄く綺麗になっていた。
シーラはプリンスに歩み寄り抱き合う、その後ろにはコンガがセットされカークがスタンバイしている。ロンダも登場、プリンスに似た色合いの服で煌びやかな赤のジャケットに黒のパンツ、ナジーはフルートを持ち次の曲「Santana Medley」(Soul Sacrifice)が始まった。とにかくこれだけの大人数の演奏なのでステージが狭い、そのかわり音はとても分厚くて迫力がある。あとジョンブラックウエルが凄かった!、何が凄いのかという技術的な説明は出来ないが、素人眼で見てもあの変態的なスティックさばきは凄過ぎる。曲が後半に差し掛かるとナジーがフルートをサックスに持ち替えた、断然曲が締まる!。素晴らしい。やっぱりこういう曲にはサックスが合う。バラードならともかくこうゆうアグレッシブな曲では全てサックスで吹いて欲しい。
そして曲はシーラのパーカッションの加わったサンタナの「Oye Come Va」。ブートでは聴いていたが本当にプリンスはサンタナ好きだ。とても雰囲気のあるラテン調の曲だ。

次の「U Got The Look」は大好きな曲なので興奮した。もしかして始めて生で聴いたような。歪んだ音でギターを弾いているプリンスは満足げな表情をしている。曲が終わるとプリンスはテレキャスターをOne Eye Bassに持ちかえた、始まったのは「Kiss」。ギターの音はサンプリング。かなりジャムっぽい感じ、ロンダは仕事を取られ傍観している。イントロに続きやっと歌い出したと思ったらその後は観客に歌わそうとするのだが、ここは自分で歌って欲しい。シーラも奥から再び出て来て客に向かって自分のポストカードを配ってる。まさか宣伝の為にここに来たのではと思わせる。プリンスは客にマイクを向け何人かに歌わせようとしたがあまりうまく行かなかった。最後にはシーラも一声だけ歌っていた。

その後ドラムセットにロンダと並んで座っているシーラにプリンスが近寄りセロリを食べさせようとしたがシーラは知らん顔。諦めないプリンスは今度は自分のドリンクをシーラに飲ませようとしたがそれも無視されていた。不満があったのは個人的に嫌いなラッパー(DVS)の登場。プリンスのステージにラップは必要無いと思う。曲の最後にジョン・ブラックウエルがステージの前に出てきてシーラに対してあなたには敵いませんという感じで頭を床にまで下げていた。

そしてショーの最後は「Gett Off」本編に続いてこの日2回目の演奏。後半プリンスはキップのキーボードを弾きキップはマイクを取り何やら怒鳴っていた。ステージ後方に眼をやるとセキュリティーのアーロンが大きな鞄を肩に担いでいるので、そろそろ終わりかな?という感じ。まだまだ観たかったが夢のひとときは終わってしまった。。
" Studio 54" (AM2:40-3:50)
1. Thank You
2. Everyday People
3. The Ride
4. The Jam
5. She's Always In My Hair
6. Soul Sacrifice
7. Oye Come Va
8. U Got The Look
9. Kiss W/ DVS
10.Gett Off


ショー終了後、タクミさんが機材を片付けるのを見ていた。プリンスの残したセロリをムスッとした表情で食べながら、シンボルギターをとても大きなギターケースに入れていた。歪な形のギターのためケースはとても大きくなるようだ。エフェクターにキスをしていたのに少し驚いたが、ショーが上手く終了した事に感謝をしていたのだろう。その後ホテルに帰っても興奮してしばらく眠れなかった。生きてる間にもう一度アフターショーを観る事は出来るのだろうか?。(完)