恐ろしくタイトなツアースケジュールが発表され、１年半に及ぶプリンス禁断症状から逃れるため、ベガス公演へ出発。 ２００４年５月２９日 公演当日、会場のマンダレイベイホテルの外壁にはプリンスのライブ告知ポスターが貼られていた、この中にあるイベントセンターが今回の会場、なんでも初日は"タイガージャムVII"と言うタイガーウッズが主催するチャリティイベントの一部としてショーが行われるとの話。この事についてNPGMC会員には一切説明は無く、チケット購入後に一般発売の告知を見てやっと知った有様。詳細が日本では分からず公演会場に行ってみると、確かにタイガージャムの掲示があり、中ではイベントが行われているよう。しかし会場に入っていく人達は全て黒のスーツで正装し、首からVIPパスを首から下げた男女。会場内では有名人が提供した物をオークションされているらしい。とにかくコンサートチケットを買ったファンでは入れてもらえなかった。次の日のテレビのニュースではやはりプリンスはこのイベントに参加していたようでその時の様子が映っていた。残念！！。 そんな事で一度ホテルに戻り、再び開演前に到着するとすでに沢山のファンが入場している、入場口で"Musicology"のCDを受け取り、グッズ売り場へ進むと見た事無いグッズも売っているのだが、Tシャツによってはかなり高い値段がついている、同じTシャツなのに色が違うだけで35ドルと40ドルとの差が！値段の付け方が良く分からない・・・。ドキドキしつつ会場へ入るとやはりアリーナ中央に十字のステージが！そしていつものように(？)ジョン・ブラックウエルが会場をウロウロしている、客席で誰かを探してるようだ、しかし、NPGのメンバーだというのに誰にも声を掛けられてる様子は無い、なんとなく手を振ってみた、するとジョンも手を振り返した、律儀な人だ。 今回アリーナ席を買ってしまったが、公演終了後スタンド席に座って感じたのがスタンドの方が凄く見やすい事だ、会場の大きさにもよると思うが、ここからだと距離もそれほど遠くは感じず十字のステージが全て見渡せる。それに比べてアリーナの自分の席に座ると、床がフラットな為に前に背の高い外人が座ると見にくいし、ステージが高いのでプリンスが反対側まで行ってしまうと全く見えない。今さら愚痴を言っても仕方無いのでビールを飲みながら開演を待つ。 最初はこの大きな会場が埋まるのか心配だった、定刻を少し過ぎても演奏が始まる様子はなく、客もビールを飲みながらうろうろしている。遅れる事３０分ようやく会場は一杯になった。そして客電が落ち場内は凄い歓声に包まれる。まず最初に今回のライブは"タイガージャム�Z"の一環という事で、サングラスをしたタイガーウッズがステージに上がりプリンスを紹介、その後にお決まりのアリシアキーズのビデオが会場のモニターに写し出される。ビデオが終わるとメンバーが通路を歩いてステージに上がり演奏が始まる。そしてプリンスは最後にスモークに包まれステージ中央からせりあがって来る。。 一曲目は"Musicology"。プリンス白の上下のスーツ、袖と膝横にフリンジが付いているお馴染みの衣装、さらに靴はいきなり白の厚底シューズ！！しかしとても動きが良い！最近のツアーでは一番よく動いてるじゃないか？サックスでは病み上がりのメイシオパーカー、生で初めて見るキャンディー・ダルファー、そして良く知らないマイク・フィリップス。メイシオが復帰したにも関わらずマイク・フィリップスは在籍のままで、今のNPGには 3人のサックスプレーヤーがいる！ ２曲目は"Let'Go Crazy"！ギターを弾くプリンス、天井からは紙吹雪が大量に落ちてくる、曲的には聴きたくないがお約束なので仕方ない。引き続き"I Would Die 4 U""When Doves Cry"とベタベタの選曲が続く、"I'm A Baby Star"の後半にはレナートのソロがあり、この部分は毎回即興のようだ、カッコイイ！やはりプリンスの歴代キーボードプレーヤーの中では一番魅力ある人ではないだろうか。 "Shhh!"が始まる、これはジョンの見せ場的な曲、異常なまでに激しく叩きまくるイントロが最高！誰が見ても凄い演奏！。そして衣装チェンジしたプリンスが登場！胸のあたりまでしかない白のジャケットにシャツは辛子色、ズボンはそのまま。靴はローリングストーンにも載っていたヒールの部分が透明になっていて、中がキラキラ光ってる、これは以前話題になった電飾で光るやつとは違うと思うがとても綺麗だ。ギターはお馴染みの日本で買った水色のストラト。 ギターを使う時に白のスーツを着たタクミさんがステージに上がって来る、そのタクミさんの髪型が最初に見た数年前はスラッシュメタル系のバンドに居そうなボサボサの長髪だったのに、今の髪の毛はやっと耳が隠れる程度の長さしか無い。それにしても今回のプリンスはギターを弾き終えるとステージ下へ投げる、マイクも曲の最後に投げる、ガンガン投げる。見てる方はカッコイイので良いのだけど下でキャッチする人は大変そうだ。 演奏中照明で会場が明るくなった瞬間、ステージの天井を見上げると、今までぶら下がっている照明は全てコンピューターで動いてると思っていたが、大きなライトの後ろに椅子があり、その椅子にベルトで体をくくり付けた人が2人座ってるのが見える！なんとライト操作の一部は人によるものだった。公演終了後にスルスルと忍者のように降りて来たのを確認。 "Controversy"の途中、キーボードの上に置いてあった自分が表紙のローリングストーンを取ると、ステージ上で寝転がり読む、すると突然起き上がり怒ったような表情でステージ下に雑誌を投げつける！わけが分からん。おかしなプリンス。 インストの"God"が始まる、プリンスの休憩＆お着替えタイムと言えばそれまでだけど、この曲では今回のツアーから参加しているマイク・フィリップスのソロで演奏される。プリンスが居ないので客席もトイレタイムとなり沢山の客が席を立つ、しかしプリンスには悪いがこの演奏がこの日一番素晴らしかったかも、とにかく感情入れまくりで曲の最後には場内を大きな歓声が鳴り響いた。 そして待望のアコースティックギターのコーナー。毎日少しづつ曲が入れ替わっているので期待大。衣装は白地に青の水玉模様のシャツ、ズボンと靴はそのまま、椅子に座るので靴が良く見える。ヒールがキラキラ光って綺麗だ。"Little Red Corvette""Cream"この辺りは固定された選曲のようだ、しかし曲の途中で演奏を止めて喋るのは頂けない。演奏自体はセレブでのアコースティックナイトを見たので物足りないような、、。"Sweet Thing""Adore"と続く、この辺りの曲はイイ感じ、さらにギターを弾いてる途中ピックを落としてしまうが、一度指で弾いた後に慌てず騒がずマイクスタンドのピックを取る、余裕である。アコースティックコーナー最後はやはり"７"、曲の途中からバックメンバーが加わる演奏。 続く"The Question Of U"ではギターソロの最後でフィードバックでノイズを吐き出しつつギターをゆっくりと床に置き、なぜかスカーフをかぶせるという妙な儀式を始める。ギターが死んだのか？ギターを受け取りにステージに上がって来たタクミさんは、プリンスの行動にどうしていいのか呆然と立ち尽くす感じ、直立不動、気まずいタクミさん。心の中ではプリンスの事を「…コイツ何しとるねん！」と思ってるに違いない。 "Life Of The Party"この曲が始まった時かなりアレンジされていたので初めは何の曲か分からなかった、正直アルバムで聴いた時はイマイチだったがこれは結構イイかも。プリンスの動きも良い。 それにしても渡米前から気になってたのが、最近見たブート映像に映ってたキャンディーダルファーのお腹！着ている衣装で分かりづらいのだけど、どうもお腹が出てるような感じがする、、、実際目を凝らしても良く分からん、結論は・・少し出ているお腹が、衣装の形でさらに太っているように見えるでいいのか。 "U Got The Look"なんと事前にスタッフがピックアップした客がステージに上がってくる、ホントにこれは勘弁して欲しい、シラける。それにおチビちゃんを連れた客まで！"Kiss"ではやはりと言うか子供好きのプリンスはマイクを向けて歌わそうとするが声は出ず、さらに目を付けた女性にキメのフレーズ「Kiss♪」を歌わそうとするがあまりに色っぽい「・・・Kiss♪」の為にズッこけるプリンス。 そしてアンコール、プリンスはまたもや衣装チェンジして上下が赤のスーツで登場、袖と膝横にはやはりヒラヒラが付いている。ギターは紫のシンボルギター。いきなり"Purple Rain"かと思いきや、"The Beautiful Ones"から始まり"Nothing Compares 2 U"と来てようやく"Purple Rain"。一番嫌いな曲なのでどうでもイイ曲、それにギターソロが長い！長すぎる！しかし今回はグレイテストヒッツコンサートらしいので仕方ないか、２時間半のコンサート終了、まあ全体的には普通のライブだったかな。 ５月３０日 ラスベガス２日目 衣装は黒の上下で登場。アコースティックコーナーでは黒のシャツに白の水玉模様、それに黒の厚底靴！！プリンスの着替えタイムでは、メイシオが"What A Wonderful World"をソロで演奏。 この日も基本的なセットリストは同じで演奏自体は短いものだったが、前日より素晴らしいショーでした。結局この日もアフターショーは無し(泣)、アフターは見れなかったけどプリンスが見れたので良しとしよう！。

2004年6月5日